本の紹介-ドキュメントシリーズ
『後藤田正晴と十二人の総理たち
- もう鳴らない“ゴッド・フォン”』
文藝春秋、2006年
文春文庫、2008年
2005年10月31日、故後藤田正晴副総理の「お別れの会」。筆者は、参列した歴代総理の献花の列を眺めながら、それぞれの総理の時代に起きた国家的危機と、後藤田-佐々の「特別権力関係」での危機管理の数々を回想していた。
湾岸戦争、PKO文民警察官殉職、阪神大震災、ペルー青木大使公邸占拠事件・・・・
「佐々君は、おるかな」という一本の電話で始まる、平成時代の国家危機管理の外史とそれにまつわるエピソード、また、カミソリ後藤田の知られざる素顔を、あますところなく伝えようと筆を執った作品。既刊『わが上司 後藤田正晴』の続編であり、後藤田-佐々の危機管理ドキュメントの最終編。
『戦時少年 佐々淳行』 - 父と母と伊藤先生
文春文庫、2003年
戦時下の東京麻布・南山小学校。主役は六男二組の生徒59人とみんなが敬愛し続けた伊藤信雄先生。今なお心に生き続ける理想の教師像と、教育の原点を小学校時代の佐々淳行の視点から描いた。
また、小学校時代の思い出や当時の情景に加え、父や母のこと、東京大空襲をはじめとする戦時体験も多数執筆。戦時下でしたためていた日記は、少しませた子どもの目線からみた太平洋戦争のドキュメントともなっている。
この作品は、『六男二組の約束-戦争と先生と59人の子供たち』(TBSブリタニカ、1995年、絶版)に新たな資料を加え、補筆・加筆した『「六男二組の太平洋戦争』(小学館文庫、1998年、絶版)をさらに大幅加筆して再文庫化したものです。
『一隅を照らす行灯たちの物語-実践的青少年教育のノウハウ』
冨山房インターナショナル、2009年
1991年、「日の丸を掲げた直接国際人道支援」をモットー設立された国際ボランティア団体「日本国際救援行動委員会(JIRAC)」。
その理事長として10年間ににのべ850人の青年隊員をカンボジア、ロシアに引率した筆者が、豊かな時代の現代の若者が、ボランティア活動と集団生活を通じてたくましく成長し、深い思いやりを持った人間になっていく様子を綴った、28のオムニバスストーリー。
普通の青年が、小さな灯りを点しながら成長する様子を、若者にも、子を持つ親にも、教育関係者にもぜひ読んでもらいたいという筆者の思いが詰まった一冊。